• 鎮鳴鍼の臨床

    突発性難聴

    Nさん

    今回の臨床報告は、当院に5年程通院頂いているNさんのお話です。
    主訴は難聴で、その日の体調に合わせた治療を行っております。
    しかし先日、良かった方の左耳が突然聞こえなくなり、お医者様から「突発性難聴」と診断されました。処方されたお薬への不安や、耳が突然聞こえなくなってしまった精神的ストレスで、大変落ち込んだご様子で来院されました。
    そんなNさんのお話に、龍榮先生は一つ一つ不安を取り除くように応えてらっしゃいました。
    そして、治療を始めて数分、先生が悪くなってしまった左耳に話しかけると、なんとお話に答えられるNさん。先生が「今、聞こえてますよね?」と確認すると、「本当だ!」と大変驚かれるNさん。その一部始終を拝見させて頂いていた私も大変驚きました。大声で喜ばれていたNさんを見て、私も大変嬉しく思い、また改めて鍼灸の力は凄いなと実感致しました。
    いろんな症状でお困りの患者様に、少しでもお力になれるよう、また気を引き締めて、日々精進していきたいと思います。

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    めまい、耳鳴り、足腰の痛みしびれ

    Tさん

    今回の臨床報告は、めまい、耳鳴り、腰の痛みと下肢のしびれで来院されておりますTさんのお話です。
    今まで、Tさんは別の鍼灸治療院で治療を受けていました。慣れているせいか、初診から落ち着いた様子でしたが、当院では鍼を場所によって深めに刺したり、お灸を皮膚に直接すえたりします。Tさんも当院独自の治療法に驚きを隠しきれず、「こんなに丁寧な鍼灸治療を受けたことがない」とおっしゃっていました。
    初診後の気分を伺ったところ、まだ身体の変化は気づいていませんでした。今までの鍼灸治療も1~2日後になって治療の良し悪しを感じるそうです。
    次に来院した際に、前回の治療後の変化を聞くと、腰の調子が良くなっていました。また、二回目の施術以降からめまいも改善しました。以前は、首を左右に振ったり、でこぼこした道を自転車で走ったりすると、すぐにふらふらしていていましたが、これらの症状が出ない日があったそうです。今までは、常にあった症状が無かったことに驚かれていました。さらに、治療を重ねた結果、少しポワーッとする程度で生活に支障のきたさないまでになりました。
    足腰の症状改善もあり、足の裏に何か敷いてあるような感覚異常がありましたが、それも軽減していきました。腰は私生活に全く問題ないまでに改善しています。
    耳鳴りも、今まではずっと感じていたものが、日により出たり出なかったりという状態に変化しました。睡眠の質がよくなったというお言葉も戴いております。遠い所から来院していただいておりますが、確実に治療の成果は出ていると思います。今後も更なる改善を目指し治療をしていきたいと思います。当院へ来院されている患者さんの一例ではありますが、定期的な治療とご本人の治りたいという姿勢が大きな改善に繋がっていると思います。

    ご本人は、症状を改善するためにはどうしたら良いのか色々と調べているようで、めまいや耳鳴りに効果のある食べ物も積極的に取り入れているようです。
    めまいや耳鳴りには、黒い色をした食べ物を採るとよいようです。抗酸化物質を多く含んでおり、組織の損傷を防ぐことができます。人間の細胞は酸化によって衰えていきます。つまり老化現象です。年齢を重ねると耳が聞こえづらくなっていくのも酸化が原因の一つではあります。東洋医学では、腎が弱ると耳の症状が出てくるといわれています。また、腎に関連した色は黒です。黒いものを食べると腎を補うと古くから言われています。

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    症状 めまい 頭重感、肩の凝り

    M・Sさん 45歳 女性

    クラッとするめまいがあり、雲の上を歩いているような感覚がありました。また、眠ってもすぐ目が覚めてしまい、ぐっすり眠れませんでした。そこで、りゅうえい治療院で治療をしていただいたところ、みるみるうちに熟睡できるようになり、めまいや頭重感が改善するとともに、歩行時の身体の動揺感も薄れていきました。

    担当者より最近、自律神経系の乱れから生じるめまいや頭痛を訴える患者さんが多く、しかも圧倒的に女性に多い。共通する特徴的な症状は、地震があったかのようなクラッとするめまいと頭痛、肩こりだ。悪化すると、雲の上を歩いているようなフワフワ感や、睡眠障害を併発する。この方も、典型的な自律神経失調症からくるめまいと考えられる。自律神経系の乱れは相当なものだ。そこで、一般的なめまいの治療の他、自律神経を調整する治療や、活脳鍼を施行した。また、自宅での養生として、朝日を身体全体で浴びることや、調子の良い時は軽く汗をかく程度の運動をしてもらうように指導した。自律神経障害は、抗不安剤や抗うつ剤、あるいは循環改善薬やビタミン剤などの薬剤で様子をみるしかない為、西洋医学が最も不得意とするところ。それに、死に至る病ではないので、軽視する医師も多い。この手の疾患は、適度な運動や転地療法、カウンセリングも効果的だが、漢方や鍼灸といった東洋医学の最適応症と思われる。なぜなら、現れている症状を緩和させることを得意としているからだ。
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    症状 めまい 頭痛 首肩の凝り

    K・Yさん 42歳 女性

    頭がボーっとして、時々左側の頭が痛み、あたかも地震があったかのようなクラッとするめまいが、1日に何度もありました。さっき地震があった?と家族に尋ねると、「ないよ」と、怪訝な顔で言われてしまいます。段々と頭がおかしくなってきたのかと、鬱々した気持ちになってしまいました。

    担当者よりこれらの症状は、自律神経系の失調で起こることが多い。舌を診ると、全体に膨らんでいて淡いピンク色をしている。また、湿潤した白い苔が薄く乗り、歯で圧迫されている痕が、舌の側面に残っている。脈は弱く、ピンピンと響く弦脈で、肝虚症。東洋医学でいう肝が弱っている病態だ。両脇が張り、腹直筋も筋張っている。おまけにへその周りを押さえると腹大動脈の拍動が強く感じられる。新陳代謝の低下と精神疲労があるのは、明らかだ。体質的なものか、ストレスがあるのか、それとも更年期障害の前触れか、いずれにしろ自律神経の調整をしなければならないのは必至である。それには頭にある百会や神庭(しんてい)と攅竹(さんちく)というツボは欠かすことができない。その他、背中にある至陽や霊台(れいだい)、足の三里(さんり)、行間(こうかん)、臨泣(りんきゅう)、照海、三陰交(さんいんこう)、液門(えきもん)などのツボも利用価値がある。手のひらにある労宮(ろうきゅう)というツボに小さなお灸を据えると更に効果的だ。その他、「痰なければ、鬱なし」という古人の教えから、消化器系の調子も良くしなければならない。色々なツボの名前を並べたが、要は熟慮して最適なツボを選んだということだ。先ずは、曲泉や陰谷(いんこく)、太衝と云うツボに鍼で軽い刺激を与え、そのあと、上記のツボを適宜選んで治療を施した。すると、2~3回の治療で軽快し、7回目の治療でほぼ改善し、治療を終えた。
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    症状 メニエール氏病 めまい 耳鳴り 難聴

    S・Sさん 75歳 女性

    定期的にシェーグレン症候群の症状緩和と、季節の変わり目などにメニエール氏病を繰り返していました。しかし、ほとんど毎回2~3回の治療で、元に戻るので、私にとっては持病のような感覚でした。ところが、今回はいつもと違いました。タクシーを使わずに来院はできるようになりましたが、完全にめまいが治まりません。雲の上を歩いているようにフワフワするし、その上耳鳴りもあって、人の声が聞き取りにくい状態でした。特に就寝時、セミの鳴くような音がして、なかなか寝付けませんでした。

    担当者より恐らく、少し前にご主人を亡くしたことが、大きなストレスになっているのだろう。
    それが、回復を遅くしている原因と思い、一般的なめまい、耳鳴りのツボの他、頭や背中にある鎮静作用のあるツボや、活脳鍼のツボも併用して治療を行うことにした。
    すると、直ぐによく眠れたという言葉が返ってきた。これで大幅な改善が望めると思い、同様の治療を数回行うと、めまいも耳鳴りも難聴も、ほぼ改善した。
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    症状 感音性難聴 耳鳴り 耳閉感

    K・Mさん 57歳 女性

    以前より仕事の関係でお世話になっており、時折仕事を兼ねて持病の腰痛の治療に来ていました。海外特許申請の仕事が忙しく、帰宅して休もうとしても興奮状態が続き、思うように眠れなかったのが原因ではないかと思いますが、1ヶ月半ぐらい前に激しい耳鳴りの発作に襲われ、人の声も聴きにくくなってしまいました。急遽耳鼻科の治療を受けたのですが、キーンという高音の耳鳴りが続いている為、りゅうえいさんにご相談のお電話をしたところ、その日の午後になんとか予約を入れて頂きました。すると、たった1回の治療で、耳鳴りがピタリとおさまり、耳閉感も解消していました。

    担当者より脈を診ると、浮いて早く弱々しい、弦という脈状。しかも、目や耳の病気、あるいは更年期障害などに多くみられる肝虚という脈証であった。舌も先端が赤みを帯びているし、両脇腹も張って、へその横に動悸も感じる。確かに睡眠不足で疲労が蓄積し、自律神経系の乱れが生じているようである。そこで、根本的に症状を改善させるため、太衝(たいしょう)や曲泉(きょくせん)などのツボに軽い刺激を与えたり、対処的に耳の周りや耳の内側にあるツボに鍼治療を施し、神経を鎮静させるために頭の天辺にある百会(ひゃくえ)や脊柱上の至陽(しよう)などのツボにお灸をしたりした。すると、耳の奥が通った感じがしたと思ったら、耳鳴りも耳が詰まった感じもなくなっていたと話していた。
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    症状 老人性難聴(感音性) 耳鳴り

    W・Nさん 82歳 男性

    貴院には4年近く通っています。坐骨神経痛と心臓疾患からの動悸と息切れの軽減が目的でした。最近は、ほとんどその症状が取れていたので、養生で定期的に通っていました。ある日、急に激しい耳鳴りで左耳が聞こえなくなり、心臓で通っている大学病院で診てもらうと、感音性の老人性難聴という診断が下され、ステロイド剤の服用を勧められました。医師からは「1ヶ月程様子をみて、改善の兆しがみえなかったら完治は難しい」とも言われました。

    担当者より定期的に来院していたのに1ヶ月を過ぎても来院しないので、心配になっていた矢先、ひょっこり顔を出し、開口一番、耳がまったく聞こえなくなってしまったと言ってきた。医師から処方されたステロイド剤は、頻繁に処方される感音性難聴の薬剤である。原因がつかめない疾患に対しての、常套手段である。確かに特効的に効いたという話を聞くが、これは特に若い方に多く、ストレスが原因と思われる例には奏功するようだ。ただし、高齢者は加齢により内耳の機能が低下しているので、たとえストレスが直接的な原因だとしても、改善がみられないケースが多い。この患者さんも、大腸の病変が、要精密検査と言われたことが心労となり、2~3日熟睡できなかったことが直接的な原因と思われるが、もともと聴力が低下していたという遠因もある。ステロイドを服用して1ヶ月が過ぎていたので、不安もひとしおではなかっただろう。通常は耳の周りや耳の内側にあるツボや、頭や背中にあるストレスを緩和するツボに治療を施せば、完治する例が多いのだが、この患者さんには老化による感覚器官の機能低下も同時に行わなければならない。足には照海(しょうかい)や水泉(すいせん)、然谷(ねんこく)といった老化による諸症状を緩和させるツボがある。これらのツボも活用して、治療にあたったところ、1回目で耳鳴りの音が激減し、大きな声だったら聞こえるまでに改善した。その後、一進一退を繰り返すも、同じような状態で安定している。現在、良好な右耳の機能を落とさないように予防的な治療も行っている。
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    症状 突発性難聴

    K・Yさん 54歳 女性

    難聴と耳鳴り、めまいがひどく、耳鼻科でステロイドを何度か注射してもらい軽くなったものの、満足できるほど改善したわけではありませんでした。夜、寝床に入るとジィーと蝉の鳴くような音が耳の奥から聞こえるので、なかなか寝付けない日々が続きました。ここを訪ねて、先生に仕事について聞かれました。
    私は税理士で、前月は決算書類の作成に追われ、税務監査もあったため、直近の1ヶ月間は働きづめでした。週に4日は残業で、夜10時過ぎに帰宅することもありました。
    先生によると「恐らく過労とストレスが重なって、自律神経失調となったため発症したのでしょう」とのことでした。
    耳の周りや頭にある内耳の機能を高めるツボに鍼灸治療を受けた後、ストレス解消のためにと、よく眠れる背中のツボに小さなお灸をしてもらいました。同じ治療を週に2回、1ヶ月ほど続けたある日、お風呂に入っていたらスポンと耳の穴が通る感じがするとともに、難聴と耳鳴りが解消しました。