【糖尿病性網膜症】血糖値を下げながら網膜血流を高めよう!
減糖晴明鍼が効果的!!
糖尿病が原因の3大合併症は腎症、神経障害、網膜症です。
どれも深刻な症状をあらわしますが、糖尿病性の網膜症は中途失明の第1、2位を争う眼疾患です。
動脈硬化が原因なので、完治は難しいとされています。
糖尿病による高血糖は動脈の壁にある内皮細胞を酸化させ、血液の流動性を高めたり、血管を拡張させたり、血管を修復させたりする機能を奪ってしまいます。内皮細胞の防衛力が低下すると、次第に傷ついた壁からコレステロールや白血球が入り込み、コブのような隆起をつくります。これがアテローム変性と呼ばれる動脈硬化です。
このアテローム変性が血流の妨げとなり、組織に十分な酸素や栄養が届かなくなった組織が弱体化します。血栓も発生しやすくなり、血管を詰まらせることで組織が壊死してしまうこともあります。糖尿病性網膜症は、この現象が網膜の動脈で起こり、視細胞の機能が失われてしまうのです。
動脈硬化はそう簡単に改善しません。加齢など様々な誘因が次々に加わるからです。
したがって、治療の中心は悪化させないことになります。
当然、網膜血流の改善は当然のことながら血糖値の管理も必要になります。
進行すると出血が起こりやすくなり、視力が低下するばかりか、視野障害から失明に至るケースも稀ではありません。
そこで、是非ご紹介したいのが、当院の網膜症対策です。
網膜血流を高める活脳晴明鍼に血糖値を低く抑える減糖減肥鍼を加えた鍼灸治療です。効果の程は多くの臨床結果が示しています。
当院では「減糖晴明鍼 げんとうせいめいしん」と呼んでいます。
悪化しないように、そして改善に向けて、一緒に頑張りましょう。
眼科の治療と併用することをお勧めします。
糖尿病性網膜症とは?
高血糖が続くと、網膜の動脈の内膜に炎症が起こり、厚くなったり、血栓をつくったりして、血流を悪化させます。
また、動脈の外壁も脆弱になるので、浸出液が出てきたり出血したりします。
動脈硬化のあらわれです。特に網膜の動脈は細いので、動脈硬化による現象は顕著です。
血流障害に陥った網膜の組織は、何とか酸素や栄養を取り込もうと、新しい血管をつくりますが、急ごしらいなので、結果的に蛇行したり弱々しくなったりしまいます。
また、酸素や栄養が不足は網膜の劣化を起こし、剥がれやすくなります。
これが黄斑で発生したら、浮腫や出血のため、視野障害からの失明が危惧されます。
更に悪化すると硝子体が線維化して縮み、網膜を引っ張るようになります。
それが網膜を剥がしてしまう原因にもなります。
糖尿病性網膜症の末期像といえます。
これが糖尿病性網膜症のおおよその病理ですが、有効な対策として挙げられるのは血糖値を下げることと、網膜の血流を改善することです。
更に炎症反応を軽減すれば適切な治療になります。
糖尿病性網膜症の標準治療
糖尿病性網膜症の治療は、進行度よって異なります。
内服薬としては、血管を広げ、網膜の血流を改善する循環改善薬があります。
悪化が予測される場合は、レーザー光凝固術で患部を焼却し、新生血管や黄斑の浮腫の進行を食い止めるようにします。
また、網膜症は進行すると、硝子体にも影響を及ぼします。
硝子体にも新生血管が生じ、出血や混濁を起こすこともありますし、硝子体が線維化して網膜を引っ張り、歪ませたり剥がしたりしてしまうこともあります。
このような状態になると、目に入った像が網膜まで到達しにくくなります。
そうなると極度に視力が低下してしまいます。
そこで硝子体に新生血管をつくらないようにさせる作用のある抗VEGF薬を注入したり、硝子体の損傷箇所を手術で摘出したりします。
高度なテクニックを要する治療法です。
但し、このような高度な治療を行っても視力が回復しないこともあります。
したがって、このような状態にならないように、血糖値を低くコントロールする必要があります。
基本的な糖尿病対策は運動療法や食事療法です。
薬剤も必要に応じて服用します。
当院の糖尿病性網膜症対策
「活脳晴明鍼 かつのうせいめいしん」に「減糖減肥鍼 げんとうげんぴしん」を加えた「減糖晴明鍼 げんとうせいめいしん」で対処しています。
「活脳晴明鍼」は目尻や目頭付近、口や耳の周りのツボに細い鍼を刺入し、三叉神経や顔面神経、迷走神経を介して、脳幹の動眼神経などの脳神経に働きかけ、目の組織を支配する筋肉への神経伝達を高めたり、網膜の血流を改善したりして、難治な眼疾患を改善する鍼灸治療です。
特に網膜血流の促進には目を見張るものがあります。
緑内障や黄斑変性、網膜症などが治療の対象になります。
ところが、糖尿病による網膜症に関しては、「活脳晴明鍼」だけでは対処することはできません。
血糖値を抑えなければ、進行を抑えることができないからです。
そこで、糖尿病をはじめ、脂質異常症、高血圧症に効果的な「減糖減肥鍼」も利用します。
このように当院の糖尿病性網膜症対策は、理論も作用も整然なのですが、どうしても限界が出てきてしまいます。
つまり、水晶体に出血や混濁がみられるケースでは治療成績が落ちることが、今までの経験でわかっています。
したがって、「減糖晴明鍼」の適応は、血流改善で効果がみられる程度の網膜症です。
具体的には影響が網膜に止まり、新生血管、出血、黄斑の浮腫のため、視力や視野に障害が出ている場合となります。
活脳晴明鍼の作用と効果
「活脳晴明鍼」は活脳鍼という脳血流を促進する施術法をベースにしています。
脳血流は網膜(眼底)血流とリンクしていることが開発の大きなヒントになっています。
更に目に好影響を与える手足、肩首、目の周り、頭皮などのツボを利用します。
したがって、「活脳晴明鍼」は難治な眼疾患に対応する新しい鍼灸治療法です。
具体的には...まずは手足にある視力に関係するツボに鍼を刺します。
昔から光明や合谷といった視力を向上させるツボが知られています。
更に肩首の凝りをほぐすツボを利用することで、脳に行く血流を良くします。
その上で、こめかみや目の周囲、口や顎、耳の周り、頭などのツボに細い鍼を刺入し、三叉神経や顔面神経、迷走神経といった脳神経を刺激します。
その刺激は視床を介して、全脳に運ばれることが示唆されます。
特に脳幹の動眼神経や顔面神経の中間神経に与える影響は注目に値します。
網膜 (眼底)血流の改善が確認されているからです。
特に糖尿病性網膜症の治療には耳の周りのツボは欠かせません。
血糖値が高い状態が続くと、糖化による糖と血管を構成するタンパク質が結合した終末糖化産物(AGE)が生成されます。
これが酸化ストレスを誘導することで、血管の内腔が狭くなったり硬くなったりして動脈硬化を進めます。
それだけでは済まず、糖がインスリンを介さず代謝され、血管透過性を亢進するソルビトールに変換されます。
そのため、血管から浸出液があふれ出し、網膜の浮腫を引き起こします。
更に血液凝固に関係する酵素も活性化して血栓を作るようになります。
これらが複雑に絡み合い、網膜の血管を流れる血液を停滞、あるいは止めたりして網膜の機能を奪い、網膜症が進行していくのです。
但し、本当に怖いのは、これらの血管の病変が様々なサイトカインを誘発することです。
サイトカインは免疫力を増強するために不可欠な物質で、主に白血球などの免疫細胞から放出されます。
病原体を排除するための強力な武器になりますが、その一方多くの白血球を興奮させ、正常組織まで攻撃してしまうことがあります。
その結果、炎症を強烈に引き起こし、細胞そのものを壊死させてしまうこともあります。
誘発されるサイトカインの種類は多く、なかには血管新生を促進する血管内皮増殖因子(VEGF)というものあります。
炎症を激しくするだけではなく、新生血管を作り、出血を促し、最後は血管を壊死させ、視力を奪ってしまうのです。
したがって、口や顎、耳の周りのツボを使う必要に迫られるのです。
これらのツボには副交感神経に作用するや顔面神経(求心路)や迷走神経が走っています。
特に迷走神経に刺激を与えると、炎症反応を食い止める作用もあらわれます。
実際、迷走神経刺激は免疫細胞であるマクロファージの炎症性サイトカイン産生を抑制する受容体を刺激し、過剰な炎症反応を緩和するとの報告があります。
このように「活脳晴明鍼」は、手足のツボだけではなく、顔面のツボを主に利用するので、効果が高まるものと推測されます。
顔の神経は直接脳と連絡しているので、強い刺激が伝わります。
そのため、臨床では施術直後に周りが明るく見えるとか、見える範囲が広がったとか、多くの症例で喜びの声が聞かれます。
視野障害の改善は難しいといわれていますので、その喜びはひとしおでしょう。
この現象は専門医も驚くところです。
この裏付けはリアルタイムで網膜の血流が計れるレザースペックルフローグラフィーで確かめています。
次の図1が活脳晴明鍼施術前の視神経乳頭付近の血流状態です。
向かって左側が右乳頭、右側が左乳頭です。
視神経は網膜で電気信号に変換された像を脳の視覚野に運ぶ大切な伝達路です。
緑内障で障害を受ける部位でもあります。
乳頭は視神経乳頭の近くにあり、最も視力に関係しています。
網膜症や黄斑変性の障害部位になります。
そこで、図2は活脳晴明鍼施術後のものです。
赤いところが血管で、単に眺めるだけでも血流が増加していることがわかります。
図1
図2
視神経乳頭の血流増加は、黄斑の血流も高めていると推測できます。
どちらも同じ網膜上にありますし、同じ眼動脈からの分枝が分布しているからです。
網膜の血流改善は、網膜症の新生血管や黄斑浮腫の発生を抑制する効果も期待できます。
網膜症は動脈硬化により網膜の血流が不足している状態が基本的な病理だからです。
但し、糖尿病性網膜症には活脳晴明鍼だけでは太刀打ちできません。
高血圧症や脂質異常症が原因で発症する網膜症と違い、糖尿病性網膜症は高血糖が予後を悪くしているため、血糖値を下げることが改善への絶対条件になるからです。
そこで、併用するのが、「減糖減肥鍼」なのです。
減糖減肥鍼の作用と効果
「減糖減肥鍼」は糖尿病、脂質異常症、高血圧症といった生活習慣病の改善を目的にした鍼灸治療です。
古くから鍼灸治療の糖尿病、脂質異常症、高血圧症を改善する効果は認められています。
また、現代学的にも肯定的な研究結果が学会に報告されているので、まず間違いないでしょう。
当院ではお腹や背骨にあるツボには膵臓からのインシュリンの分泌を高める作用のあることを把握しています。
また、手足や腹部、背部には新陳代謝を亢進させたり、消化器系の機能を高めたりするツボが沢山存在しています。
つまり、血流不全が代謝障害をもたらしている場合があるので、血流を促進するツボに治療を行います。
更に飲食物の胃腸管における通過スピードを速め、栄養の吸収を抑制する作用があるとされるツボも利用します。
更に耳の周りには血糖値を下げる迷走神経に刺激を与えられるツボも存在しています。
経験的に耳には食欲を抑えるツボが知られています。
最近耳への鍼灸の刺激は脳下垂体に作用して、血糖値をコントロールしたり食べ過ぎを抑えたりするレプチンという生理活性物質を放出させるとの報告がなされています。
これらは肥満や脂質異常症を改善する裏付けになりそうです。
「減糖減肥鍼」は、これらのツボを上手く活用することにより、インシュリンの分泌を高め、肥満を改善し、血糖値を低い状態に導くのです。
図3は抗糖尿病薬を服用していたにも関わらず、過食のためヘモグロビンA1CもBMIも上昇した方のデータです。
何とか改善したいととのことで、当院を「減糖減肥鍼」を受けました。当初ヘモグロビンA1Cが9.6、BMIが25.5でしたが、2ヵ月で劇的に改善し、11ヵ月でヘモグロビンA1Cが6.6、BMIが21.5まで改善しました。
図3
本人も大した運動も節食もしたわけではないのに、ここまで回復するとは驚きだと、「減糖減肥鍼」の感想を述べていました。
この劇的な変化は全員にすべてあてはまるわけではありませんが、大なり小なり何らかの改善がみられるのは確かです。
以上、当院の糖尿病性網膜症対策、「減糖晴明鍼」をご案内しました。
お困りの方は、是非眼科の治療と併用してご利用ください。
乱暴な施術ではないので、しっかり説明すれば眼科医も理解してくれるでしょう。
鍼灸と併用して漢方薬や和漢サプリメントも利用できます
併設漢方薬店
「なかよし漢方堂ショップ」のご案内
同建物の1階に漢方薬店を併設しています。ご希望に応じて、症状や体質にあった漢方薬や和漢サプリメントをご提案しています。
ヒトデやアワビの貝殻、緑豆の商品も取り扱っています。
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