鎮鳴鍼の臨床

症状 めまい 頭重感、肩の凝り

M・Sさん 45歳 女性

クラッとするめまいがあり、雲の上を歩いているような感覚がありました。また、眠ってもすぐ目が覚めてしまい、ぐっすり眠れませんでした。そこで、りゅうえい治療院で治療をしていただいたところ、みるみるうちに熟睡できるようになり、めまいや頭重感が改善するとともに、歩行時の身体の動揺感も薄れていきました。

担当者より最近、自律神経系の乱れから生じるめまいや頭痛を訴える患者さんが多く、しかも圧倒的に女性に多い。共通する特徴的な症状は、地震があったかのようなクラッとするめまいと頭痛、肩こりだ。悪化すると、雲の上を歩いているようなフワフワ感や、睡眠障害を併発する。この方も、典型的な自律神経失調症からくるめまいと考えられる。自律神経系の乱れは相当なものだ。そこで、一般的なめまいの治療の他、自律神経を調整する治療や、活脳鍼を施行した。また、自宅での養生として、朝日を身体全体で浴びることや、調子の良い時は軽く汗をかく程度の運動をしてもらうように指導した。自律神経障害は、抗不安剤や抗うつ剤、あるいは循環改善薬やビタミン剤などの薬剤で様子をみるしかない為、西洋医学が最も不得意とするところ。それに、死に至る病ではないので、軽視する医師も多い。この手の疾患は、適度な運動や転地療法、カウンセリングも効果的だが、漢方や鍼灸といった東洋医学の最適応症と思われる。なぜなら、現れている症状を緩和させることを得意としているからだ。