鎮鳴鍼の臨床

症状 感音性難聴 耳鳴り 耳閉感

K・Mさん 57歳 女性

以前より仕事の関係でお世話になっており、時折仕事を兼ねて持病の腰痛の治療に来ていました。海外特許申請の仕事が忙しく、帰宅して休もうとしても興奮状態が続き、思うように眠れなかったのが原因ではないかと思いますが、1ヶ月半ぐらい前に激しい耳鳴りの発作に襲われ、人の声も聴きにくくなってしまいました。急遽耳鼻科の治療を受けたのですが、キーンという高音の耳鳴りが続いている為、りゅうえいさんにご相談のお電話をしたところ、その日の午後になんとか予約を入れて頂きました。すると、たった1回の治療で、耳鳴りがピタリとおさまり、耳閉感も解消していました。

担当者より脈を診ると、浮いて早く弱々しい、弦という脈状。しかも、目や耳の病気、あるいは更年期障害などに多くみられる肝虚という脈証であった。舌も先端が赤みを帯びているし、両脇腹も張って、へその横に動悸も感じる。確かに睡眠不足で疲労が蓄積し、自律神経系の乱れが生じているようである。そこで、根本的に症状を改善させるため、太衝(たいしょう)や曲泉(きょくせん)などのツボに軽い刺激を与えたり、対処的に耳の周りや耳の内側にあるツボに鍼治療を施し、神経を鎮静させるために頭の天辺にある百会(ひゃくえ)や脊柱上の至陽(しよう)などのツボにお灸をしたりした。すると、耳の奥が通った感じがしたと思ったら、耳鳴りも耳が詰まった感じもなくなっていたと話していた。

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