減糖減肥鍼の臨床

Y.Oさん 56歳 男性

会社の検診で糖尿病が疑われ、病院で精査すると、空腹時血糖値が122mg/dl、ヘモグロビンA1c値が6.7%で、糖尿病予備軍との診断をうけました。それどころか、脳動脈瘤とラクナ梗塞も指摘されました。医師の話では、このまま血糖値の高い状態が続くと脳動脈硬化が進行して、早晩、脳動脈瘤破裂や脳梗塞の発症が危惧されるとのことでした。身長168cmで体重86kg。疲れやすく肩や首が凝るし、腰も重く足先にほてりとしびれを感じていました。その上汗かきで喉も渇く。まさに「糖尿病」という症状でした。知人からりゅうえい治療院が脳卒中の後遺症や、糖尿病からの神経痛や神経麻痺の治療を得意としていることを聞き来院しました。

担当者より東洋医学的な診断では脾腎陰虚である。証に合わせ、一般的な自律神経系を調整する鍼灸治療の他、太谿や陰陵泉、中?、足三里、三陰交、十三椎などのツボに施灸した。更に過食を是正させるために、合谷や陽陵泉、耳のツボなどにも鍼治療を施した。「減糖減肥鍼」と呼ぶ鍼灸施術である。2~3回ほど鍼灸治療を行うと、首肩の凝りや疲労感が気にならなくなり、その年の暮れには汗かきや喉の渇きといった症状も緩和され、空腹時血糖値が114mg/dl、ヘモグロビンA1c値が6.1%に激減していた。体重も5kg減り、腹部にシワが出来ていた。医師からは血糖値が安定しているので、脳卒中の危険性は多少遠のいたと言われたそうだ。現在、忘れたころに肩こりや腰痛で来院するが、血糖値やヘモグロビンA1c値は、ほぼ正常値であると言う。

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