減糖減肥鍼の臨床

T.Wさん 38歳 女性

会社の健康診断でメタボを指摘され、来院しました。首や肩のこりなどの症状もあったので、トータル的な改善ができればと思い、鍼灸治療を選択しました。

担当者より持参された診断結果には、身長158cmで体重75kg、腹囲88cm、中性脂肪210mg/dl、血圧は上135mmHgで下が96mmHgと記載されていた。また、脂肪肝や軽度肝障害も注意されていた。見ると、下半身がビア樽のように膨れている。明らかにメタボ体型である。問診では、首肩の凝りと息切れを強く訴えていた。心肺への負担が大きいのか、あるいは脂肪肝からの横隔膜反射か、いずれにしろ肥満が原因と思われた。当初の東洋医学的な診断は、脈状診:やや浮・やや数・弦、六部定位脈診:脾虚胆実、舌診:舌質淡・湿潤微白苔、腹診:右胸脇苦満・臍傍圧痛であった。太白、商丘、首肩の凝りを取る鍼灸治療の他に、合谷や太衝、豊隆、血海、三陰交、天枢、気海などの代謝を亢進させるツボにも施術を行った。更に耳の食欲を軽減させるツボにもテープで置き鍼を施した。10日後の再診時、翌日から食欲が減退してきたと治療後の経過を話してくれた。また、臭覚が敏感になり、特に油ものの臭いが鼻につくので、アッサリした料理を好んで食べるようになったとも言っていた。

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