減糖減肥鍼の臨床

Y・Yさん 70歳 男性

強い肩こりと耳鳴りがあり来院しました。原因は職場のストレスだと思います。鍼灸治療をすると体がラクになるので定期的に通っていました。
その後、血糖値が上がってきたため、糖尿病の治療も一緒にしてもらうことになりました。

担当者より新陳代謝を亢進させたり、筋肉の緊張を緩めたり、あるいは精神を安定させる鍼灸治療を行ったところ、直ぐに改善がみられた。その後、鍼灸治療を受けると、熟睡できるとのことで、隔週で来院するようになる。来院時、前々から糖尿病予備群と言われていたが、急に血糖値やヘモグロビンA1cが高くなり、危険な状態にあると診断されたそうだ。持参した血液検査データにはブドウ糖負荷試験2時間値266mg/dl、ヘモグロビンA1c値7.9%と記載されていた。細かく尋ねると、食後高血糖改善薬を服用していたが、このところ仕事上の付き合いでカロリーコントロールが出来ない状況にあると打ち明けた。そこで、いつもの鍼灸治療の他、照海や陰陵泉、尺沢、十三椎、崑崙、三陰交などのツボにも施灸した。同時に低炭水化物療法も勧めた。すると、半年ほどでブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dlを切るようになり、ヘモグロビンA1c値7%前後に安定するようになった。ところが、その後白内障が悪化して、免許の更新に苦労したり、手足に痛みやしびれがあらわれたりと、様々な症状が次々にあらわれた。これが糖尿病の怖いところである。現在、対処療法的に手足の神経の機能を高める鍼灸治療の他、白内障対策として澤田流合谷への温熱灸を自宅でも行ってもらい、小康状態を維持している。

前の記事

鎮鳴鍼の臨床