更年期障害(ホットフラッシュ、不眠、手足の冷え・ほてり、首肩の凝り)

症例 O・Yさん 50歳 女性

若い頃から汗かきで、のぼせ症。でも冬は手足が冷えて夏は身の置き所がない程ほてるといった状態で、本当に辛い思いをしていました。

担当者より東洋医学では、このような体質を腎陰虚体質と呼んでいる。腎陰虚体質の改善には漢方薬や鍼灸治療が最適である。多少時間はかかるが、大なり小なり効果はあらわれる。しかも、負の副作用がほとんどみられないというのもメリットに挙げられる。腎陰虚体質の方が更年期を迎えると、ホットフラッシュと呼ばれる激しい症状に悩むことが多い。更に不眠やめまい、耳鳴り、頭痛、動悸、息切れなどの不快な症状が加わることもあるので、苦しみは一入(ひとしお)ではない。西洋医学的に観察すれば、交感神経緊張状態と言える。したがって、治療は鎮静作用のあるツボが選ばれる。また、よく眠らせることや手足の血流を改善することも必要だ。東洋医学でいうところの逆気(ぎゃっき)を鎮めるということである。そこで、唇鍼を施したあと、頭や背中、手足にある鎮静ツボに鍼灸治療を行い、更に肘の曲池(きょくち)、腕の通里(つうり)、内関(ないかん)、足の三里(さんり)、陰陵泉(いんりょうせん)、照海(しょうかい)、三陰交、行間、失眠などのツボに鍼あるいは灸をした。このような施術をしばらく繰り返していくうちに熟睡できるようになり、それとともにホットフラッシュ症状も激減した。今は忘れたころに来院する程度になっている。